樹木の製作
製作した樹木の種類
-
針葉樹
山岳地帯には檜、杉を代表に多くの針葉樹が眼に入る。また、ヨーロッパの風景写真からも特徴的な針葉樹が見られる。これらの針葉樹を目指した。
-
広葉樹
市街地にも郊外にも沢山ある木であり、ジオラマには不可欠であるので製作した。ただ、樹形がいろいろであるが写真のような作り易いものに特化した。
-
卵型樹形の木
多くの樹木を植栽するので、材料が入手し易く、簡単に製作できる木として設定した。この木は樹形図鑑によれば卵型樹形と呼ばれ針葉樹にも広葉樹にも樹種がある。
-
ケンとメリーの木
北海道美瑛にある木である。コマーシャルに使われ有名になった。ただ1本だけそこにある木であるが、風景とともに印象に残っていたので製作してみた。
-
シンボルツリ
中央駅前を公園として整備し、その中央に植栽する木である。少し大き目の常緑樹として製作した。因みにプラハ中央駅の前は公園になている。これを模した。
-
樹木キットを利用して製作した木
これは最初に製作した木である。始めてであるとともにKATOがキットを販売していたので、まずこれを利用するが簡単と思い製作した。
針葉樹
針葉樹の製作
樹木要素(部品)の切り出し
- 写真は針葉樹1本分の材料(部品)である。
- コード(長さ110mm)1本
- 針金(長さ110mm)2本
- 葉材シート 葉材シートは、床敷きマットやキッチンで、滑り止め材としてそれらの下に敷く網上のマットである。手持ちがあったので使用した。 (30mm×70mm)3枚
- 樹木の高さは針金の長さで約110mmとなる。ジオラマに取付ける時、埋める深さ分低くなる。
茎相当部分の組立
- 電線 針金の根本をフローラテープ(ブラウン色)で束ねる。(写真左)
-
巻き方
フローラテープの撒き方
フローラテープはテープに接着材が含まれており、引張ると出てくるので伸ばしながら紙縒り(こより)を撚るように巻く。
手芸店などで販売しているほか、ネットでも購入できる。
ネットでは巻き方も公開されている。 はテープを引きながら、紙縒(こより)を撚るように巻く。 - 電線コードは裂き、頂上では4本の茎にする。(写真左)
- 4本の茎の間に1枚づつ葉材シート3枚を挟み込む。(写真中央)
- 葉材シートに切込みを入れ茎に刺すと一方が固定され組立て易くなる。
- 木の頂上部をフローラテープ(グリーン色)で巻き、葉材を固定する。
- 樹形を想定し葉材シートを斜めに切り落とす。(写真右)
樹葉の接着
- 重なった葉材シートを開き、此処に樹葉材を木工用ボンドで付ける。
- 樹葉材はフォーリッジ、フォーリッジクラスター、コースターフなど。
- カラーも数種あるので樹木を想定し好みの材料とカラーのものを使う。
- 木工用ボンドは乾くと透明になる。乾燥に24時間必要なこともある。
- 針葉樹は木の後ろの青空が透けて見える場合があるので、樹葉材で完全に埋めない木も製作した。
葉の色に変化を付ける場合
- 葉の色彩に変化を付ける場合は好みの色のターフを降り掛けると良い。
- カラーの違うターフを降り掛けると色彩に変化が出て感触が良くなる
- 降り掛けは、ターフを唐辛子の降り掛け容器に入れて行う。
- 最後に
木工用ボンド薄め液
木工用ボンド薄め液
木工用ボンドを5~10倍程度の水で薄め液である。ターフなど細粒上のもの、バラバラになり易いものを固定させるために使用する
接着剤が弾かれる場合は中性洗剤を適量滴下すると馴染み易くなる。 をスポイトで滴下する。
滑り止め防止材(葉材シート)を用いない樹木
フェルトを用いた樹木
- 葉材シートは入手し難いので、代わりにフェルトを用いて製作した。
- 製作方法は葉材シートを使用した場合と同じである。
和紙を用いた樹木
- 次の方法として葉材ネット代わりに和紙を用いた樹木を製作した。
- 製作方法は葉材シートを使用した場合と同じである。
完成樹木群(仮設置)
完成した樹木を並べた状態
広葉樹
広葉樹の製作
背の高い広葉樹 (幹、枝の製作)
- 茎、枝材料として針金を10本用意する。(0.9mmΦ針金)
- 長さ110mm:2本、長さ80mm:4本、長さ45mm:4本
- 針金を全てフローラテープ(ブラウン色)で巻く。(写真左)
-
巻き方
フローラテープの巻き方
フローラテープはテープに接着材が含まれており、引張ると出てくるので伸ばしながら紙縒り(こより)を撚るように巻く。
手芸店などで販売しているほか、ネットでも購入できる。
ネットでは巻き方も公開されている。 はテープは引張ると接着剤が出てくるので、引張りながら撚る。 - 45mm針金を2本づつ110mmの針金に巻きつける。(小枝、写真中央)
- 小枝付きの110mm2本と80mmの針金4本を根元で束ねる(写真右)。
- これら幹枝の製作はフローラテープ(ブラウン色)で行う。
背の低い広葉樹 (幹の製作)
- 茎、枝材料とするして針金を8本用意。(0.9mmΦ針金)
- 長さ80mm:1本、長さ65mm:7本
- 針金を全てフローラテープ(ブラウン色)で巻く。(写真左)
- 全ての針金の根元を揃え束ねる(写真右)。
- これら幹の製作はフローラテープ(ブラウン色)で行う。
樹高の相違と樹形の整え
- 背の高い、低いの相違は写真のようになっている。
- 小枝、樹葉を想定し、葉材シートを貼る。(低木、高木とも写真右側)
- 葉材シートを事前に接着してあると樹葉の貼り付けがし易くなる。
- 接着は枝部分に木工用ボンドを塗布し、その上に葉材シートを乗せる。
樹葉の接着
- 樹葉材料として、フォーリッジ、フォーリッジクラスタを接着する。
- 葉の色彩に変化を付けるために好みの色のターフを降り掛ける。
- カラーの違うターフを降り掛けると色彩に変化が出て感触が良くなる
- 降り掛けは、ターフを唐辛子の降り掛け容器に入れて行う。
- 最後に
木工用ボンド薄め液
木工用ボンド薄め液
木工用ボンドを5~10倍程度の水で薄め液である。ターフなど細粒上のもの、バラバラになり易いものを固定させるために使用する
接着剤が弾かれる場合は中性洗剤を適量滴下すると馴染み易くなる。 をスポイトで滴下する。 - ボンド薄め液の塗布することで樹木全体が固定される。
完成樹木群(仮設置)
卵型樹形の木
製作に使用した特殊材料
クッション材
- 荷物を梱包するときに隙間を埋めるためのクッション材である。
- ビニールに入った状態で使用する。荷物の中にはこの状態で詰め込む。
- ホームセンターで販売している。
ビニール袋内の挿入物を取り出した状態
- 取り出した個々の部品を樹木製作に使用する。
樹木の製作
樹木骨格の製作
- クッション材内容物2個を木工用ボンドで接続する。
- 幹になる檜丸棒を差込木工用ボンドで固定する。
- 絵の具で塗装する。
樹形の調整
- 機の根元部分を太く、頂上を細くするために葉材シートを巻く。
樹葉の接着
- 木工用ボンドでフォーリッジ、フォーリッジクラスターを接着する。
- 葉の色彩に変化を付けるために好みの色のターフを降り掛ける。
- カラーの違うターフを降り掛けると色彩に変化が出て感触が良くなる
- 降り掛けは、ターフを唐辛子の降り掛け容器に入れて行う。
- 木工用ボンド薄め液
木工用ボンド薄め液
木工用ボンドを5~10倍程度の水で薄め液である。ターフなど細粒上のもの、バラバラになり易いものを固定させるために使用する
接着剤が弾かれる場合は中性洗剤を適量滴下すると馴染み易くなる。 をスポイトで振り掛ける。ボンド液が固まると、葉材、振りかけたターフは固化、安定化する。
完成樹木群(仮設置)
ケンとメリーの木
ケンとメリーの木の製作
材料について
- 使用した材料は写真の様な樹形の材料である。
- 手芸店、フラワーショップなどにある。
樹木の製作と樹形の調整
- 枝を数本切り取り束ねる。
- 束ね方は樹形を見ながら茎同士をプラスチック用接着剤で接着する。
- 木を寝かせ接着剤を付け、手で合わせておくと仮接着される。
- この後洗濯バサミで完全乾燥まで留めておく。
- 茎同士でもこの方法で容易に接着できる。
- 望む樹形になるよう、木にバンド(写真の白いリボン)を付ける。
- この状態で木工用ボンド薄め液
木工用ボンド薄め液
木工用ボンドを5~10倍程度の水で薄め液である。ターフなど細粒上のもの、バラバラになり易いものを固定させるために使用する
接着剤が弾かれる場合は中性洗剤を適量滴下すると馴染み易くなる。 を滴下する。 - この作業を頂上から根元まで行い好みの樹形にする。
仮設置した樹木(仮設置)
シンボルツリー
シンボルツリーの製作
枝の製作
- 枝材料 0.9mm針金を使用
- 上段用枝:60mm*4本 25mm*8本 (写真:上左)
- 中断用枝:70mm*4本 35mm*8本 (写真:上右)
- 下段用枝:80mm*4本 45mm*8本 (写真:下)
- 針金をフローラテープで巻きながら4組づつの枝を作成する。
- 写真左上が上段用、右上が中断用、下が下段用の枝になる
幹の芯になる部分の製作
- 枝材料と同様0.9mm針金を使用
- 幹用心材:150㎜*1本
- 上部小枝:25㎜*4本
- 写真のように心材となる針金に、上部小枝用針金をフローラテープで巻き、幹上部を形成する。
樹木の組み立て(幹、枝など骨組みの製作)
- 幹心材に枝を取り付ける
- 取り付けは心材の上部小枝の下に上段用枝を取り付ける
- その下に中断用枝、その次に下段用枝を取り付ける
- 完成後の樹形を想定しながら取り付けると良い
根の製作
- 小枝製作同様にフローラテープを巻いた針金を用意する
- 針金長さは45㎜程度にした
- 針金は枝とは逆向きに根元にフローラテープで巻く
- 根を広げ、台となる厚紙にボンドで接着する
- 厚紙は絵の具で塗装する。(ポスターカラーが良い)
樹葉貼り付け前処理
- 樹葉貼り付けの前処理として滑り止めシートを枝部に張り付ける
- 滑り止めシートは樹形、樹葉を想定しながら小さく切る
- 細かく切断したシートは枝部に張り付ける
- 貼り付けは木工用ボンドを使用する
樹葉の接着
- 樹葉料を滑り止め材の上に樹形を見ながら貼り付ける
- 樹葉材としてフォーリッジクラスターを使用する
- フォーリッジクラスターのカラーは適宜選択する
- 接着は木工用ボンドを使用する
- 最後に
木工用ボンド薄め液
木工用ボンド薄め液
木工用ボンドを5~10倍程度の水で薄め液である。ターフなど細粒上のもの、バラバラになり易いものを固定させるために使用する
接着剤が弾かれる場合は中性洗剤を適量滴下すると馴染み易くなる。 スポイトでを滴下する。 - ボンド薄め液の塗布することで樹木全体が固定される。
公園中央部に植栽したシンボルツリー
樹木キットを利用した木の製作
樹木キットについて
購入した樹木キットの外観
- 幹部分はモールドされていて完成している。幹の製作は不要である。
- 樹木キットは広葉樹、針葉樹などあるが、今回は広葉樹を選択した。
- また、広葉樹(中)14個入りと、広葉樹(小)32個入りがあるがは、Nゲージなのと、数量を重視し小さい方を購入した。
- 樹木の数量はいくら多くても困ることは無い。
キットに含まれる木の大きさ
- 広葉樹(小)は幹となる部品は写真のように7種類と見られる。
- 数量は36個入っている。
- 樹木の高さは22mm~67mmであった。
樹木の葉になる材料
- 葉材は、クランプフォーリッジと呼ばれる粒状のスポンジである。
- クランプフォーリッジは、フォーリッジクラスタより細かく、コースターフより大きな固まりで、その中間の位置にある。
- カラーは写真のようにライトグリーン、ミディアムグリーン、ダークグリーンと表記された3種類の材料が含まれていた。
樹木キットを使用した樹木の製作
幹の曲げ加工
- 樹木の幹はプラスチックで平面状にモールドされている。
- これを立体的に見えるように曲げたり、捻ったりして樹形を整える。
- 平面状態から幹の上に向かって放射状に広げて行くことになる。
- 枝同士がが同一平面上にならないように意識して曲げ、捻ると良い。
- この成形の作業が出来上がった樹木の良さを決めることになる。
樹葉の接着
- ここではモールドされた幹に葉になる材料を接着する。
- まず、葉になるスポンジ状の材料を容器の中に移す。
- 幹、枝に木工用ボンドを塗り。箱の中で転がし、樹葉材を接着する。
- 付かない部分には手で丹念に樹葉材を接着する。
- 平面同士でなく、スポンジと丸い幹の接着のため根気よく行う。
- その後乾燥させる。接着剤が多く接着面も厚いので、乾燥時間は思いのほか長く必要。この作業では、24時間放置し、翌日に次の作業に入ると良い。
樹形を整える
- 接着が難しいため、必ずしも希望の樹形にならないことがある。
- 接着剤が乾燥したら不必要な樹葉を手で取り除いて樹形を整える。
- 写真の右側はボンド付けした状態のもの、左側は多少樹葉を取り除く。
- 最後に、
木工用ボンド薄め液
木工用ボンド薄め液
木工用ボンドを5~10倍程度の水で薄め液である。ターフなど細粒上のもの、バラバラになり易いものを固定させるために使用する
接着剤が弾かれる場合は中性洗剤を適量滴下すると馴染み易くなる。 をスポイトで樹葉部に満遍なく滴下し、樹葉部分全体を固める。 - 滴下したところと、しないところの区別が付かないため乾燥後、樹葉を触り柔らかいところは再滴下した方がしっかり固定できる。
完成した樹木
- 滴下した部分も含め接着剤が完全に乾燥したら完成となる。
- 必要に応じ台座部分を切り離し幹を差し込む。
- 台座があると自立できます。また、設置位置の確認のため仮置きには便利である。